薬剤師国家試験では、抗菌薬に関する問題がよく出題されます。
抗菌薬は、薬理だけでなく、病態・薬物治療、実務、薬剤、衛生にもつながる重要分野です。
しかし、抗菌薬は種類が多く、
- ペニシリン系
- セフェム系
- カルバペネム系
- マクロライド系
- ニューキノロン系
- アミノグリコシド系
- グリコペプチド系
- テトラサイクリン系
- ST合剤
- 抗MRSA薬
など、覚えることが多くて苦手に感じる人も多いと思います。
この記事では、薬剤師国家試験対策として覚えておきたい抗菌薬を、代表薬・作用機序・抗菌スペクトル・副作用・相互作用・国試でのポイントに分けて整理します。
なお、この記事の内容は2026年7月時点の情報です。実際の治療では、感染症の種類、原因菌、耐性菌、患者背景、腎機能、施設のアンチバイオグラムなどによって抗菌薬の選択が変わります。最新情報は、添付文書、診療ガイドライン、厚生労働省・PMDAなどの公式情報を確認してください。
この記事を書いた人
この記事は、第111回薬剤師国家試験に合格し、現在は大学院に進学しながら薬局で勤務している筆者が、国試対策向けにまとめたものです。
抗菌薬は、国家試験でも実務でも重要な分野です。
国試では、単に薬の名前を覚えるだけでなく、どの菌に効くか、どんな副作用があるか、腎機能で注意する薬はどれか、TDMが必要な薬はどれかまで問われます。
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まず結論:国試で優先して覚えたい抗菌薬
薬剤師国家試験で優先して覚えたい抗菌薬は、以下です。
| 優先度 | 分類 | 代表薬 | 国試で覚えるポイント |
|---|---|---|---|
| 高 | ペニシリン系 | アモキシシリン、ピペラシリン | 細胞壁合成阻害、βラクタム系 |
| 高 | セフェム系 | セファゾリン、セフトリアキソン、セフェピム | 世代ごとの特徴、髄液移行、緑膿菌 |
| 高 | カルバペネム系 | メロペネム、イミペネム | 広域、重症感染症、耐性菌対策 |
| 高 | グリコペプチド系 | バンコマイシン | MRSA、TDM、腎障害、レッドマン症候群 |
| 高 | アミノグリコシド系 | ゲンタマイシン、アミカシン | 腎障害、聴覚障害、TDM |
| 高 | マクロライド系 | クラリスロマイシン、アジスロマイシン | CYP阻害、非定型肺炎 |
| 高 | ニューキノロン系 | レボフロキサシン、シプロフロキサシン | 金属カチオン、腱障害、血糖異常 |
| 中 | テトラサイクリン系 | ミノサイクリン、ドキシサイクリン | 歯牙着色、妊婦・小児注意 |
| 中 | ST合剤 | スルファメトキサゾール・トリメトプリム | ニューモシスチス肺炎、高K血症 |
| 中 | リンコマイシン系 | クリンダマイシン | 偽膜性大腸炎、嫌気性菌 |
| 中 | オキサゾリジノン系 | リネゾリド | MRSA、骨髄抑制、セロトニン症候群 |
| 中 | ニトロイミダゾール系 | メトロニダゾール | 嫌気性菌、アルコール注意 |
まずはこの表をざっくり覚え、そのあとに各分類の特徴を整理すると効率的です。
抗菌薬で国試に出やすいポイント
抗菌薬の国試対策では、次の5つを意識すると整理しやすいです。
| ポイント | 覚える内容 |
|---|---|
| 作用機序 | 細胞壁、タンパク質、核酸、葉酸代謝など |
| 抗菌スペクトル | グラム陽性菌、陰性菌、嫌気性菌、非定型菌、MRSA、緑膿菌 |
| 副作用 | 腎障害、肝障害、聴覚障害、偽膜性大腸炎、血糖異常など |
| 相互作用 | ワルファリン、金属カチオン、CYP阻害、QT延長など |
| 実務 | TDM、腎機能調節、服薬指導、抗菌薬適正使用 |
特に国試では、抗菌薬の名前だけでなく、副作用・相互作用・服薬指導とセットで問われやすいです。
作用機序で覚える抗菌薬
抗菌薬は、まず作用機序で分類すると覚えやすいです。
| 作用機序 | 分類 | 代表薬 |
|---|---|---|
| 細胞壁合成阻害 | ペニシリン系、セフェム系、カルバペネム系、グリコペプチド系 | アモキシシリン、セファゾリン、メロペネム、バンコマイシン |
| タンパク質合成阻害 | アミノグリコシド系、マクロライド系、テトラサイクリン系、リンコマイシン系、オキサゾリジノン系 | ゲンタマイシン、クラリスロマイシン、ミノサイクリン、クリンダマイシン、リネゾリド |
| 核酸合成阻害 | ニューキノロン系、リファンピシン | レボフロキサシン、シプロフロキサシン、リファンピシン |
| 葉酸代謝阻害 | サルファ剤、トリメトプリム | ST合剤 |
| 細胞膜障害 | ポリミキシン系、ダプトマイシン | コリスチン、ダプトマイシン |
国試では、「どの作用機序か」を問う問題もありますが、それだけでなく、作用機序から副作用や相互作用を考える問題もあります。
1. ペニシリン系
ペニシリン系は、βラクタム系抗菌薬の代表です。
細胞壁合成を阻害することで殺菌的に作用します。
| 代表薬 | ポイント |
|---|---|
| アモキシシリン | 経口でよく使われる |
| アンピシリン | グラム陽性菌中心、腸球菌など |
| ピペラシリン | 緑膿菌にも使われる |
| スルバクタム・アンピシリン | βラクタマーゼ阻害薬配合 |
| タゾバクタム・ピペラシリン | 広域、重症感染症で重要 |
国試で覚えるポイント
ペニシリン系は、βラクタム系、細胞壁合成阻害、アレルギーをまず押さえます。
また、βラクタマーゼ阻害薬との配合剤も重要です。
| 配合剤 | 覚えること |
|---|---|
| スルバクタム・アンピシリン | βラクタマーゼ阻害薬配合 |
| タゾバクタム・ピペラシリン | 広域、緑膿菌、嫌気性菌にも対応 |
副作用
- アレルギー
- 発疹
- 下痢
- 肝機能障害
- 腎機能障害
- 偽膜性大腸炎
ペニシリン系では、過敏症の既往を確認することが実務でも重要です。
2. セフェム系
セフェム系もβラクタム系抗菌薬です。
国試では、世代ごとの特徴がよく問われます。
| 世代 | 代表薬 | 特徴 |
|---|---|---|
| 第1世代 | セファゾリン、セファレキシン | グラム陽性菌に比較的強い |
| 第2世代 | セフメタゾール、セフォチアム | 一部嫌気性菌にも対応 |
| 第3世代 | セフトリアキソン、セフォタキシム、セフタジジム | グラム陰性菌に強い |
| 第4世代 | セフェピム | 緑膿菌を含む広域 |
| 第5世代 | セフタロリン | MRSAにも活性を示す |
国試で覚えるポイント
セフェム系では、次の組み合わせが重要です。
| 薬 | 覚えること |
|---|---|
| セファゾリン | 手術部位感染予防、グラム陽性菌 |
| セフトリアキソン | 髄液移行、1日1回投与、胆汁排泄 |
| セフタジジム | 緑膿菌 |
| セフェピム | 第4世代、緑膿菌、広域 |
| セフメタゾール | 嫌気性菌、腹腔内感染症など |
セフェム系は「第何世代か」を丸暗記するだけでなく、どの菌に強いかを意識すると覚えやすいです。
副作用
- アレルギー
- 下痢
- 偽膜性大腸炎
- 腎障害
- ビタミンK欠乏による出血傾向
- ジスルフィラム様作用
特に、一部のセフェム系では、出血傾向やジスルフィラム様作用が問われることがあります。
3. カルバペネム系
カルバペネム系は、非常に広い抗菌スペクトルを持つβラクタム系抗菌薬です。
重症感染症や耐性菌が疑われる場面で使われることがあります。
| 代表薬 | ポイント |
|---|---|
| メロペネム | 広域、重症感染症 |
| イミペネム・シラスタチン | シラスタチン配合 |
| ドリペネム | 広域 |
| ビアペネム | 広域 |
国試で覚えるポイント
カルバペネム系では、次の点が重要です。
- 広域抗菌薬
- βラクタム系
- 重症感染症
- 緑膿菌に使われることがある
- 乱用による耐性菌の問題
- イミペネムはシラスタチンと配合される
副作用
- アレルギー
- 下痢
- 肝機能障害
- 腎機能障害
- 痙攣
カルバペネム系は便利な薬ですが、国試では抗菌薬適正使用の観点でも重要です。
広域抗菌薬をむやみに使うのではなく、原因菌や感受性、患者背景に応じて選択することが大切です。
4. グリコペプチド系
グリコペプチド系で最重要なのは、バンコマイシンです。
バンコマイシンは、MRSA感染症で重要な抗菌薬です。
| 代表薬 | ポイント |
|---|---|
| バンコマイシン | MRSA、TDM、腎障害 |
| テイコプラニン | MRSA、TDM |
国試で覚えるポイント
バンコマイシンは、国試頻出です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作用機序 | 細胞壁合成阻害 |
| 対象 | MRSAなどグラム陽性菌 |
| 重要事項 | TDM |
| 副作用 | 腎障害、聴覚障害 |
| 特徴的副作用 | レッドマン症候群 |
レッドマン症候群は、急速投与で起こりやすい反応として覚えます。
バンコマイシンで覚えること
- MRSAに使う
- TDMが必要
- 腎機能に注意
- トラフ濃度やAUCを意識する
- 急速投与でレッドマン症候群
- 経口バンコマイシンは腸管感染症で使われることがある
国試では、薬理だけでなく、実務のTDMや腎機能調節と絡めて出やすいです。
5. アミノグリコシド系
アミノグリコシド系は、タンパク質合成阻害薬です。
30Sリボソームに作用します。
| 代表薬 | ポイント |
|---|---|
| ゲンタマイシン | グラム陰性桿菌、TDM |
| アミカシン | 耐性菌にも使われることがある |
| トブラマイシン | 緑膿菌など |
| ストレプトマイシン | 抗結核薬としても重要 |
国試で覚えるポイント
アミノグリコシド系では、腎障害・聴覚障害・TDMが重要です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作用機序 | 30Sリボソーム阻害 |
| 作用 | 殺菌的 |
| 副作用 | 腎障害、聴覚障害 |
| 実務 | TDM、腎機能調節 |
| 注意 | 妊婦で注意 |
アミノグリコシド系は、バンコマイシンと同じく、TDMと腎機能が問われやすいです。
6. マクロライド系
マクロライド系は、50Sリボソームに作用してタンパク質合成を阻害します。
| 代表薬 | ポイント |
|---|---|
| エリスロマイシン | 古典的マクロライド |
| クラリスロマイシン | CYP3A4阻害、相互作用 |
| アジスロマイシン | 半減期が長い、相互作用は比較的少ない |
国試で覚えるポイント
マクロライド系は、非定型肺炎と相互作用が重要です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作用機序 | 50Sリボソーム阻害 |
| 対象 | マイコプラズマ、クラミジア、レジオネラなど |
| 相互作用 | CYP3A4阻害 |
| 注意 | QT延長 |
特にクラリスロマイシンは、CYP3A4阻害による相互作用が問われやすいです。
併用注意の例
- ワルファリン
- 一部のCa拮抗薬
- 一部のスタチン
- 一部の抗不整脈薬
- ベンゾジアゼピン系薬
国試では、抗菌薬単体ではなく、相互作用を見抜けるかが重要になります。
7. ニューキノロン系
ニューキノロン系は、DNAジャイレースやトポイソメラーゼを阻害し、核酸合成を阻害します。
| 代表薬 | ポイント |
|---|---|
| レボフロキサシン | 呼吸器・尿路などで重要 |
| シプロフロキサシン | 緑膿菌にも使われる |
| モキシフロキサシン | 呼吸器感染症など |
| ガレノキサシン | 呼吸器感染症など |
国試で覚えるポイント
ニューキノロン系は、かなり国試で問われやすい分類です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作用機序 | DNAジャイレース、トポイソメラーゼ阻害 |
| 相互作用 | 金属カチオンで吸収低下 |
| 副作用 | 腱障害、QT延長、中枢神経症状、血糖異常 |
| 注意 | 妊婦・小児で原則注意 |
服薬指導で重要なこと
ニューキノロン系では、金属カチオンとの相互作用が重要です。
以下のようなものと一緒に飲むと、吸収が低下することがあります。
- アルミニウム含有制酸薬
- マグネシウム含有制酸薬
- 鉄剤
- 亜鉛製剤
- カルシウム製剤
- 牛乳・乳製品
国試では、「レボフロキサシンと鉄剤を同時に飲んでよいか」のような実務寄りの問題が出しやすいです。
8. テトラサイクリン系
テトラサイクリン系は、30Sリボソームに作用してタンパク質合成を阻害します。
| 代表薬 | ポイント |
|---|---|
| ミノサイクリン | 代表的なテトラサイクリン系 |
| ドキシサイクリン | 半減期が比較的長い |
| テトラサイクリン | 古典的薬剤 |
国試で覚えるポイント
テトラサイクリン系では、歯牙着色と金属カチオンが重要です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作用機序 | 30Sリボソーム阻害 |
| 相互作用 | 金属カチオンで吸収低下 |
| 副作用 | 歯牙着色、光線過敏症、肝障害 |
| 注意 | 妊婦・小児に注意 |
ニューキノロン系と同じく、テトラサイクリン系も金属カチオンとの相互作用が問われやすいです。
9. ST合剤
ST合剤は、スルファメトキサゾールとトリメトプリムの配合剤です。
葉酸代謝を阻害することで抗菌作用を示します。
| 成分 | 作用 |
|---|---|
| スルファメトキサゾール | ジヒドロプテロイン酸合成酵素阻害 |
| トリメトプリム | ジヒドロ葉酸還元酵素阻害 |
国試で覚えるポイント
ST合剤は、以下の内容が重要です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作用機序 | 葉酸代謝阻害 |
| 代表用途 | ニューモシスチス肺炎 |
| 副作用 | 高カリウム血症、皮膚障害、骨髄抑制 |
| 相互作用 | ワルファリンなど |
ST合剤は、感染症だけでなく、HIVや免疫抑制状態、ニューモシスチス肺炎と関連して出題されることがあります。
10. リンコマイシン系
リンコマイシン系では、クリンダマイシンが重要です。
| 代表薬 | ポイント |
|---|---|
| クリンダマイシン | 嫌気性菌、偽膜性大腸炎 |
国試で覚えるポイント
クリンダマイシンは、嫌気性菌に使われる一方で、偽膜性大腸炎が重要です。
抗菌薬関連下痢症やClostridioides difficile感染症と関連して覚えるとよいです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作用機序 | 50Sリボソーム阻害 |
| 対象 | 嫌気性菌など |
| 副作用 | 偽膜性大腸炎 |
| 関連菌 | Clostridioides difficile |
11. オキサゾリジノン系
オキサゾリジノン系では、リネゾリドが重要です。
| 代表薬 | ポイント |
|---|---|
| リネゾリド | MRSA、VRE、骨髄抑制 |
国試で覚えるポイント
リネゾリドは、MRSAやVREに関連して覚えます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作用機序 | 50Sリボソーム阻害 |
| 対象 | MRSA、VRE |
| 副作用 | 骨髄抑制、血小板減少 |
| 相互作用 | セロトニン症候群に注意 |
リネゾリドは、長期投与で血小板減少などの骨髄抑制が問題になります。
また、MAO阻害作用を持つため、SSRIなどとの併用でセロトニン症候群に注意する点も押さえておきましょう。
12. メトロニダゾール
メトロニダゾールは、嫌気性菌や一部の原虫に使われる薬です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 分類 | ニトロイミダゾール系 |
| 対象 | 嫌気性菌、原虫など |
| 副作用 | 消化器症状、末梢神経障害 |
| 注意 | アルコールとの併用注意 |
国試で覚えるポイント
メトロニダゾールでは、嫌気性菌とアルコール注意が重要です。
服薬指導では、飲酒を避けるよう説明する場面が問われることがあります。
抗MRSA薬まとめ
MRSA関連は国試でかなり重要です。
抗MRSA薬は、まとめて整理しておきましょう。
| 薬 | 分類 | 国試で覚えるポイント |
|---|---|---|
| バンコマイシン | グリコペプチド系 | TDM、腎障害、レッドマン症候群 |
| テイコプラニン | グリコペプチド系 | TDM、腎機能 |
| リネゾリド | オキサゾリジノン系 | 骨髄抑制、セロトニン症候群 |
| ダプトマイシン | リポペプチド系 | 横紋筋融解症、肺炎には使いにくい |
| アルベカシン | アミノグリコシド系 | TDM、腎障害、聴覚障害 |
抗MRSA薬では、単に「MRSAに効く」と覚えるだけでは不十分です。
国試では、TDMが必要な薬、副作用、使えない感染症、腎機能調節が問われやすいです。
緑膿菌に使われる抗菌薬
緑膿菌も国試でよく問われます。
| 分類 | 代表薬 |
|---|---|
| ペニシリン系 | ピペラシリン、タゾバクタム・ピペラシリン |
| セフェム系 | セフタジジム、セフェピム |
| カルバペネム系 | メロペネム、イミペネム |
| ニューキノロン系 | シプロフロキサシン、レボフロキサシン |
| アミノグリコシド系 | ゲンタマイシン、アミカシン、トブラマイシン |
緑膿菌は、院内感染、免疫低下、重症感染症などと関連して出題されることがあります。
嫌気性菌に使われる抗菌薬
嫌気性菌も、実務や病態で問われやすいです。
| 分類 | 代表薬 |
|---|---|
| ニトロイミダゾール系 | メトロニダゾール |
| リンコマイシン系 | クリンダマイシン |
| βラクタマーゼ阻害薬配合剤 | スルバクタム・アンピシリン、タゾバクタム・ピペラシリン |
| カルバペネム系 | メロペネム、イミペネム |
| セフェム系 | セフメタゾール |
嫌気性菌は、腹腔内感染症、誤嚥性肺炎、婦人科感染症などと関連して覚えると整理しやすいです。
非定型肺炎に使われる抗菌薬
非定型肺炎では、マイコプラズマ、クラミジア、レジオネラなどが重要です。
| 分類 | 代表薬 |
|---|---|
| マクロライド系 | クラリスロマイシン、アジスロマイシン |
| テトラサイクリン系 | ミノサイクリン、ドキシサイクリン |
| ニューキノロン系 | レボフロキサシン、モキシフロキサシン |
非定型肺炎では、βラクタム系が効きにくい点も重要です。
抗菌薬の副作用まとめ
抗菌薬は、副作用とセットで覚えると国試で点につながりやすいです。
| 副作用 | 代表薬 |
|---|---|
| 腎障害 | バンコマイシン、アミノグリコシド系、ニューキノロン系 |
| 聴覚障害 | アミノグリコシド系、バンコマイシン |
| 偽膜性大腸炎 | クリンダマイシン、セフェム系、ニューキノロン系 |
| QT延長 | マクロライド系、ニューキノロン系 |
| 血糖異常 | ニューキノロン系 |
| 腱障害 | ニューキノロン系 |
| 歯牙着色 | テトラサイクリン系 |
| 骨髄抑制 | リネゾリド、ST合剤 |
| 高カリウム血症 | ST合剤 |
| 肝障害 | マクロライド系、テトラサイクリン系など |
| レッドマン症候群 | バンコマイシン |
特に、腎障害・TDM・偽膜性大腸炎・QT延長・金属カチオンとの相互作用は優先して覚えましょう。
抗菌薬の相互作用まとめ
抗菌薬は相互作用もよく問われます。
| 抗菌薬 | 相互作用・注意点 |
|---|---|
| ニューキノロン系 | 金属カチオンで吸収低下 |
| テトラサイクリン系 | 金属カチオンで吸収低下 |
| マクロライド系 | CYP3A4阻害、QT延長 |
| ST合剤 | ワルファリン作用増強、高K血症 |
| メトロニダゾール | アルコール注意、ワルファリン作用増強 |
| リファンピシン | CYP誘導 |
| リネゾリド | SSRIなどでセロトニン症候群に注意 |
国試では、処方を見て「この組み合わせは注意が必要」と判断する問題が出ます。
抗菌薬は、相互作用までセットで覚えましょう。
腎機能に注意する抗菌薬
実務で特に重要なのが、腎機能です。
| 抗菌薬 | 腎機能で注意する理由 |
|---|---|
| バンコマイシン | 腎障害、TDM |
| アミノグリコシド系 | 腎障害、TDM |
| ニューキノロン系 | 腎排泄の薬が多い |
| セフェム系 | 腎排泄の薬が多い |
| カルバペネム系 | 腎機能で用量調節が必要なことがある |
| ST合剤 | 腎機能、高K血症に注意 |
高齢者では、血清クレアチニンが正常に見えても腎機能が低下していることがあります。
そのため、国試では、eGFRやCCrと抗菌薬の用量調節が絡めて出題されることがあります。
TDMが重要な抗菌薬
TDMが重要な抗菌薬は、必ず覚えましょう。
| 抗菌薬 | 覚えること |
|---|---|
| バンコマイシン | MRSA、腎障害、血中濃度管理 |
| テイコプラニン | MRSA、TDM |
| アミノグリコシド系 | 腎障害、聴覚障害、ピーク・トラフ |
| アルベカシン | MRSA、TDM |
TDMは、薬剤師国家試験の実務で問われやすいテーマです。
単に「TDMが必要」と覚えるだけでなく、有効性と副作用を両方考えるために血中濃度を確認すると理解しておきましょう。
抗菌薬適正使用も重要
近年、抗菌薬は「どの薬が効くか」だけでなく、抗菌薬を適正に使うことも重要になっています。
抗菌薬の不適切な使用は、薬剤耐性菌の増加につながります。
国試でも、抗菌薬適正使用、耐性菌、感染対策、TDM、デエスカレーションなどの考え方が問われる可能性があります。
抗菌薬適正使用で覚えること
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| エンピリック治療 | 原因菌が確定する前に経験的に行う治療 |
| デフィニティブ治療 | 原因菌・感受性判明後に行う治療 |
| デエスカレーション | 広域抗菌薬から狭域抗菌薬へ絞ること |
| アンチバイオグラム | 施設ごとの菌の感受性情報 |
| AST | 抗菌薬適正使用支援チーム |
| AMR | 薬剤耐性 |
国試では、抗菌薬の名前だけでなく、なぜその抗菌薬を選ぶのか、いつ変更するのかという考え方も大切です。
国試前に最低限覚えたい抗菌薬セット
時間がない人は、まず以下を優先して覚えましょう。
| テーマ | 覚える薬 |
|---|---|
| MRSA | バンコマイシン、リネゾリド、ダプトマイシン、テイコプラニン |
| 緑膿菌 | ピペラシリン、セフタジジム、セフェピム、メロペネム、シプロフロキサシン |
| 非定型肺炎 | マクロライド系、テトラサイクリン系、ニューキノロン系 |
| 嫌気性菌 | メトロニダゾール、クリンダマイシン、スルバクタム・アンピシリン |
| TDM | バンコマイシン、アミノグリコシド系、テイコプラニン |
| 金属カチオン | ニューキノロン系、テトラサイクリン系 |
| 腎障害 | バンコマイシン、アミノグリコシド系 |
| 高K血症 | ST合剤 |
| 血糖異常 | ニューキノロン系 |
| 歯牙着色 | テトラサイクリン系 |
この表を覚えるだけでも、抗菌薬の重要ポイントはかなり整理できます。
抗菌薬の覚え方
抗菌薬は、薬の名前だけを丸暗記すると混乱しやすいです。
おすすめは、次の順番で覚えることです。
``` 分類 ↓ 代表薬 ↓ 効く菌 ↓ 副作用 ↓ 相互作用 ↓ 服薬指導・実務ポイント ```
たとえば、バンコマイシンなら次のように整理します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 分類 | グリコペプチド系 |
| 代表薬 | バンコマイシン |
| 効く菌 | MRSAなどグラム陽性菌 |
| 副作用 | 腎障害、聴覚障害、レッドマン症候群 |
| 実務 | TDM、腎機能確認 |
| 国試ポイント | MRSA、TDM、急速投与注意 |
このように1つずつ整理すると、薬理・病態・実務を横断して覚えられます。
よくある疑問
抗菌薬はどこまで覚えるべき?
最初からすべての抗菌薬を細かく覚える必要はありません。
まずは、国試で問われやすい代表薬を優先しましょう。
特に、βラクタム系、バンコマイシン、アミノグリコシド系、マクロライド系、ニューキノロン系、ST合剤は優先度が高いです。
抗菌スペクトルは丸暗記するべき?
丸暗記だけではきついです。
まずは、MRSA、緑膿菌、嫌気性菌、非定型菌のように、国試で問われやすい菌から整理するのがおすすめです。
抗菌薬で一番大事な副作用は?
国試対策では、腎障害、聴覚障害、偽膜性大腸炎、QT延長、血糖異常、歯牙着色、骨髄抑制、高K血症を優先して覚えるとよいです。
TDMが必要な抗菌薬は?
バンコマイシン、テイコプラニン、アミノグリコシド系、アルベカシンは優先して覚えましょう。
金属カチオンと相互作用する抗菌薬は?
ニューキノロン系とテトラサイクリン系です。
鉄剤、亜鉛製剤、マグネシウム・アルミニウム含有制酸薬、カルシウム製剤などとの併用で吸収が低下することがあります。
まとめ
薬剤師国家試験で抗菌薬を勉強するときは、薬の名前だけを覚えるのではなく、分類ごとに整理することが大切です。
特に、次の抗菌薬は優先して覚えましょう。
- ペニシリン系
- セフェム系
- カルバペネム系
- バンコマイシン
- アミノグリコシド系
- マクロライド系
- ニューキノロン系
- テトラサイクリン系
- ST合剤
- クリンダマイシン
- リネゾリド
- メトロニダゾール
国試では、抗菌薬の作用機序だけでなく、以下のような実務的な知識も問われやすいです。
- MRSAに使う薬
- 緑膿菌に使う薬
- 嫌気性菌に使う薬
- 非定型肺炎に使う薬
- TDMが必要な薬
- 腎機能に注意する薬
- 金属カチオンと相互作用する薬
- 副作用として腎障害・聴覚障害・偽膜性大腸炎を起こす薬
抗菌薬は覚える量が多い分野ですが、分類、代表薬、効く菌、副作用、相互作用の順番で整理すれば、かなり覚えやすくなります。
まずは、バンコマイシン、アミノグリコシド系、ニューキノロン系、マクロライド系、セフェム系、カルバペネム系から優先して固めていきましょう。
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